【注目記事】丸パクリ歓迎・小論文 理想の医師像

国試浪人で宅浪を選んだ理由

はじめに

私は第114回医師国家試験の受験生です。悔しながら第113回医師国家試験に落ちてしまった時にまず考えたことは
①予備校に行くか
②自宅浪人(以下、宅浪)をするか
でした。当時の代表的な予備校と言えば、MECTECOMMACが挙がりますが(編註 現在はメディックスペースも存在しています)、今はmedu4Q‐Assistのように自宅学習に特化した会社も実績を積み重ねており、実質、教材選びという観点ではどの会社のものを使っても差が生じない状態にまでなりました。ただ、勉強する環境を選ぶという観点では、予備校と宅浪とで、自身との相性を間違えてしまうと差が生じてしまいます。私はこの1年宅浪を選択してよかったと思いますが、予備校を選択して良かったという人もいますので、あくまで一個人の意見として参考になれば幸いです。

 

宅浪を選んだ理由

先に結論から述べますが、私が宅浪を選んだのは「宅浪の選択肢が増えたから」です。宅浪において私が感じた一番の壁は「自己管理」でした。いくら前述の通り自宅学習に特化した会社の教材が予備校と差を作らないほどになったとはいえ、その教材をやり抜くことができるかどうかは自己管理の度合いに依存するのではないかと思ったからです。出席管理から年間計画管理、メンタルサポートなど手厚く管理をしてくれる予備校に昔も今も変わらず国浪生の強いニーズはあるのはそこも一因にあると思います。ただ、予備校はお金がかかるので、経済的に宅浪を選択する人も少なくはありませんし私もその1人でした。

 

勉強会の存在

なんとか経済的負担を抑えながら予備校通学者と差を作らないか情報を集めてましたが、TwitterなどのSNS上で繋がりを作ってmedu4など自宅学習教材を中心に扱う勉強会を立ち上げるという文化が去年くらいから盛んになったことを知りました。勉強会といっても具体的なものが想像できない方もいらっしゃると思いますが、今年発足した勉強会はdiscord、Slack、Skypeなど多様なコミュニケーションアプリを使ったグループがありました。特にdiscordというアプリはグループLINEと違い、トピック別にチャンネルを立てることができ、1つのグループサーバーに複数のトピックが混在することなく分けて確認することができました。加えて、通話チャンネルも複数立てることができるので、同時間に複数チームが音声で勉強会を行う際も部屋がかぶることなく行えるという優れものでした。

 


※当時Twitter上でオンライン自習室への参加者を募っていた投稿です

勉強会の内容

勉強会をどのように使うかという目的も多様でした。
具体的にはmedu4のテキストの内容をベースにした口頭試問、模試の復習会、直近5年分の過去問研究、輸液など特別講座にあたる知識の復習など、集合知を活かしたものがありました。これだけでも勉強面で苦手を克服したり、知識を補強したり、アウトプットをする場を持つなどの選択肢の多さを感じることができましたが、宅浪生にとって不利になる自己管理も勉強会の利用の仕方次第でかなり克服しているメンバーも見られました。
例えば、自習に緊張感を持たせたい方は、discordで通話ボタンを入れたまま他人の眼がある環境でオンライン自習をしていました。

 

生活習慣のペースメークも⁉

朝型に生活リズムを整えたい方は朝型のリハビリとして挨拶をするだけの企画を1日20分ほどの時間で立ち上げていました。宅浪生の特性状孤独になりやすいので、何気ない挨拶をする場や雑談をする場は貴重でしたし、朝の始めにお互いが1日にやる勉強の内容を言い合って共有することで刺激を与え合うこともできました。また体調管理の一環として筋トレやヨガをしたいという人は一緒のメニューをdiscordの通話ボタンを入れたままそれぞれの自宅で一緒に行うという試みも行われていました。オンライン筋トレというのは今後のトレンドとしてはやるのではないでしょうか?笑。

 

マッチングの不安も⁉

そして、マッチングの情報交換をしたい方もdiscordを活用していました。
具体的には地域別で開催されるマッチング説明会イベントの情報をアウトプットすることで、情報共有と自身の情報整理の場にしていました。
「国浪することが研修先の病院にマイナスに受け取られることがないか?」という心配をもとに、どのようにプラスに受け取ってもらえるか知恵を出し合ったり、志望動機の添削をし合ったりと、みんなで履歴書の文面や面接でのセリフを作ることもやらせていただきました。

合宿も企画⁉

ドラゴン桜2で話題にもなった「強制をしない自由な勉強合宿」という企画もやりました。夏にある1つの関門である夏模試に向けて個々が立てた勉強計画に直前の追い込みを自主的にかけるために、東京で3泊4日の泊まり込み合宿を企画しようという流れになり実現しました。普段はオンライン通話で勉強しているメンバー同士ですが、実際にオフラインで初めて会い、顔も見える関係で互いが監視し合い、集中できる環境が作れたことで団結力も高まりました。

勉強会に参加してみて

総じて勉強会は、宅浪ゆえの孤独の解消、勉強のペースメーカー、モチベーションのシェア、周りとズレを感じないための予防線、強制力、集合知、など多岐に渡る効果を発揮してたように思えます。勉強会と聞くと勉強以外のことは何も相談できないと私も最初は思っていましたが「望めば叶う」で自己管理をする上でも必要な企画は小さいことから大きいことまで、内部のメンバーの自主性により実現していました自己管理において予備校ほどの網羅性はありませんが、自分にとって足りないピースをかけ集めていくかのように、自主的に企画をする人がいて、その人に共感して企画に乗っかってくれる人がいて、勉強会というハコを最初に作ってくれる人がいて、とそれぞれの役割を果たしてくれる環境があったことは予備校とも差を感じずに過ごせた要因になったと個人的には感じます。

 

最後に

今後宅浪を検討される方がいましたら、ぜひ勉強会を探すところから、そして探したら、実際にどのような勉強や自己管理を自分で、あるいは仲間内で行っていたか、体験者に聞くことをお勧めします。そこで出会えた仲間とは苦労を分かち合う同志にもなるので宅浪生活でも十分戦えます。これからの1年間応援しております。

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この記事を書いたのは

すぬ

医師、113回医師国家試験不合格、114回医師国家試験合格。宅浪中はmedu4とdiscord勉強会を駆使し合格を勝ち取る。悔しい思いをした分、 「助けて」といえるような環境づくりを目指す。オンライン口頭試問してほしい方は連絡を(対象は115回受験生)。

すぬの記事はこちら

@bldhyjunichi119

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